クロスバイクとロードバイクの違いシリーズ
とうとう、、、第何回かになりました!!
今回は、『たいしたことなくない?』とおもわ
れがちなヘッド周りとフォークのことについて
書いていきます。数値上の違い非常に小さく、
それが??レベルです。しかし、どれくらいの
スピード域で、どれくらいの距離を、何時間くらい
走りたいかなんてことを想定すると結構影響の
ある部分です。にも関わらず、そんな違いなど発想
すらなく自転車屋さんに行っても質問事項として
頭に浮かぶまでもなく、自転車屋さんも細かい話だし
ということで説明なく終わります。実際のメーカーの
事例も交えて話を進めて行きます。購入前のかたや
新しい車種を購入しようと検討している方はご参考
いただければと思います。
ちなみに以前までのシリーズはこちらです。
そもそもヘッド&フォークの役割について
そもそもヘッド&フォークの役割について書いて
行きます。どうしても、メインのフレームや、
見栄えが富んでいるホイールに比べると地味な
存在なのですが、走行性に大きく影響を与える
部分なので、是非読んでみて下さい。
ヘッドについて
ヘッドチューブと呼ばれる部分で、フレームの一部と
なっております。このチューブの長さが前傾姿勢が
しやすいかしにくかの判断基準となります。
・ ヘッドチューブ長い=前傾姿勢 緩い
・ ヘッドチューブ短い=前傾姿勢 深い
となります。
これは、前者が素人、後者が玄人のように囚われガチ
ですが、ヨーロッパのプロ選手でも長いものを使う人
がいたり、レースによって使い分ける人がいたりします。
そのため、前傾姿勢だけで素人、玄人の判断は適していない
と思います。しかし、プロレベルの場合は、全員前傾が深い
中で、浅いか深いかの違いがあるので、基本一般的な見え方
としては、深いになると思います。深くするのは、高速時の
空気抵抗を極力減らすためです。頭の位置は、空気抵抗の
抑える重要ポイントで、如何に楽に速く走るを目指すと深い
方向に行くということです。矛盾しますが、昨今パワーという
指標が新たに加わり、あまりに極端な前傾姿勢だとパワーが
出ないということからそのバランスがより重要視されるように
なってきております。
フォークについて
ヘッドチューブに突きささっている二股に
なって、ホイールを挟んでいるパーツです。
このパーツは、思っている以上に重要パーツで、
直進安定性、コーナーリング、加速性、立ちこぎ
(ダンシング)時の振り、走行中の振動吸収など
に影響を大きく与える部分になります。私が自転車
を始める前は、フォークだけを製造している
メーカーがあったことからも非常に繊細な
パーツだったことがわかります。
重要ポイントとしては、
① 素材 (現在は、ほぼカーボンですが)
② フォーク角度
① ロードバイクのは、現在だとほぼカーボン素材
のものです。しかし、クロスバイクの場合は、鉄
(クロモリ)、アルミの場合があります。個人的には、
予算が許すようであれば、カーボンをオススメします。
②が地味に重要です。そもそも、数度程度しか違い
がないので、『たいしたことないでしょ!』となり
がちです。ところが、これは、体感すると結構な違い
があります。簡単にいいますと、角度が低いと、
直進安定性が高い、言いかたを変えると、手放し運転
がしやすいような感じです。
角度が高いと、コーナーリングがしやすく、加速性に
富んでいるという感じです。
一長一短あるのですが、その辺は次の章に託します。
クロスバイクの場合は
以前の記事の通り、クロスバイクは、基本的に
タウンユースとフィットネスを目的に設計しており
ます。そのため、できる、できないは別として、
だいたい巡航速度25km/時あたりで、30分~1時間30分
程度のライドが快適であることを想定してあります。
その場合に辛くない姿勢で、スピードが安定してでる
ための設計をします。そのため、
① ヘッドチューブが長い
② フォーク角度が小さい
基本的には、前の章の説明の通りです。補足をしますと、
クロスバイクであまり気にする必要がないと思われる、
空気抵抗削減、高速コーナーリングの安定、加速性能
といった部分が省かれているといった感じです。
一方で、直進安定性は重視された設計になっているので、
平坦路をたんたんと走る際は、場合によってはロードバイク
より楽に、速く走っている感覚が得られると思います。
個人的には、不思議とクロスバイクは、そこまで力を
いれなくてもスピードに乗り易いなと感じておりました。
ロードバイクの場合は
もうおわかりかと思いますが、クロスバイクの逆
となります。
① ヘッドチューブが短い
② フォーク角度が大きい
前章の真逆となります。補足としては、長さと角度
のバランスのとり方が、メーカーや車種によって多様化
していることです。また、ここにステムというパーツ
が絡むことでフレームとフォークでは補いきれない
味付けをすることが出来ます。複雑になり過ぎるので、
ここでは、割愛しますが、数ミリ、数度の違いで好み
が出てくるので、不思議なものです。体の柔軟性や
老化が進むにつれても嗜好が変わるはずなので、
ある意味永遠に答のない旅かもしれません(ひぇぇえええ)
実際にメーカージオメトリの事例を上げてみよう
実際にメーカーのジオメトリ表を活用して
見てみましょう。上記のように書いたものの、
あれは、一般論なので、メーカーによっても
かなり違いがあります。また、クロスバイクと
ロードバイクでサイズ表記が違いますが、私の
サイズに当てはまるものを事例として挙げて
おります。
トレック: https://www.trekbikes.com/jp/ja_JP/
ジャイアント: https://www.giant.co.jp/giant20/
トレックの場合
トレックは、初めて購入したクロスバイクとのこと
で、掲載することにしました。
<比較車種>
・ クロスバイク FX3 サイズ M
ヘッドチューブ長: 130mm
フォークアングル: 71.5°
・ ロードバイク Emonda サイズ 52
ヘッドチューブ長: 140mm
フォークアングル: 72.8°
ジャイアントの場合
ジャイアントは、現在乗っているロードバイク
がTCR ADV SLということで2事例目としてました。
<比較車種>
・ クロスバイク Escape R3 サイズ S
ヘッドチューブ長: 145mm
フォークアングル: 72°
・ ロードバイク TCR ADV SL サイズ S
ヘッドチューブ長: 130mm
フォークアングル: 72.3°
所見
まずは、トレック、ジャイアント比較論をします。
結構違ってましたね。この辺がメーカーの思想が
設計に出ているのかと思います。ちょっとその思想
までは、はかれないところがあります。
単純にトレックは、クロスバイクとロードバイクで
設計に結構違いが出てましたね。興味深いポイントは、
ヘッドチューブがEmondaの方が長いことですね。
Emondaは、ヒルクライムに特にオススメのバイク
のため、空気抵抗削減よりも、パワーを出しやすい、
呼吸がしやすいなどを意識しているのかもしれない
ですね。また、単純にユーザーとしては、フレーム
サイズの選択幅が広いのはGOODポイントですよね。
一方、ジャイアントは、ヘッドチューブは定石通り
クロスバイクの方が長い設計です。しかし、フォーク
アングルは、あんまり違いがないようです。
ジャイアントのクロスバイクは、街中での取扱は
非常にしやすいのかもしれないですね。
<余談>
トレックには、エアロバイクという空気抵抗を
最大限に削減する設計をしたMadoneという車種
があります。当バイクのヘッドチューブ長は、
同サイズで121mmということでかなり設計が
違うことが分かります。ジャイアントには、
プロペルという車種がありますが、ヘッドチューブ長
は、TCRと同じ130mmでしたね。
さいごに
クロスバイクとロードバイクの違いヘッド&
フォークということでお届けしてきました。
改めてですが、
<クロスバイクの場合>
・ 直進安定性に長けた設計がなされている。
・ フォーク素材が、色々あるので、予算に
応じた検討が必要
→ カーボンがオススメ
<ロードバイクの場合>
・ 巡航速度、加速性、コーナーリングの
バランス感が良い設計
・ 空気抵抗削減を意識された設計
という基本設計に加えて
<追加ポイント>
・ メーカーによって設計思想が結構違う
・ ロードでもヘッドチューブ高いものある
→ 前傾がツライ場合の選択ポイント
・ しかし、パーツで調整もできる
→ 見かけを犠牲にするが。。。
こんな感じですね。メーカーのジオメトリ表
の見方は、なんだかプログラミング用語を見ている
感覚で、なんのこっちゃとなりガチです。しかし、
結構意味があるので、この辺も購入前の検討材料
に入れてみるとおもしろいと思います。
では
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