手に取ってみよう、自転車雑誌

ツールドフランス2013 01自転車
100周年のツールドフランス2013年の最終ステージでの光景。是非行って見て欲しいレースです。
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今回の記事では、スポーツ自転車における雑誌がどれくらいあり、どのように付き合っていくかについて取り上げて行きたいと思います。




具体的な話は後述しますが、雑誌は、やっぱり徐々に減りつつあるというのが現状です。そもそも自転車、特にロードバイクやクロスバイクといったスポーツ自転車の分野自体のマーケットの大きさから発行されている種類じたいが少なかったところに加えて減ってきたという現実が時代の流れを感じさせるところです。



最近では買ったり、立ち読みで留まったりを繰り返しておりますが、やっぱり雑誌は総合的にロードバイクをはじめとしたスポーツバイクを知る上で有効性が高いと感じます。単純に紙という媒体の有効性もそれを後押ししていると思います。具体的に雑誌を読む良い点については、以下の通りかと思います。


  •  トレンド情報
  •  最新機材情報
  •  見落とし情報
  •  関心事以外からの気づき情報




雑誌の効果は元々は上記の2つが大きな役割をになってきたと思います。しかし、インターネットの台頭からここの役割は年々弱まってきているのが現状と思います。実際雑誌発行している各社自体がネット番組を持ち始めており、5G社会になるとそれは顕著になりそうです。




そのため、後半2つの見落としや関心事以外の記事の価値が上がっていると思います。結局情報は人気があるものに視聴者は偏るという全体的な問題と、そもそも読者側も自分の関心事に意識が偏りガチです。そのためインターネット上では、関心が弱いものとの接触が必然的に少なくなってしまう構造になってます。機材スポーツであり、機材が関わる趣味事のため、見落としや関心事として低かったことからくる新たなインスピレーションは結構大きいのではないでしょうか。




個人的には、以下にある各誌での経験からすると、クロモリバイク特集や自転車旅の記事、トレーニング経路にある自転車屋さんの広告、マウンテンバイクの記事、DIY特集なんかは、普段率先して情報収集をしていない分野なので結構参考になります。ロードバイクの所有者自体は増えているのか、部屋の収納・整理特集なんかはもっと深堀していって欲しいなと思う分野です。




一方で、トレーニング等に関する分野は、無くす必要性はなさそうですが、本やネットに歩があるかなと思わざるお得ません。ただし、既述の通り雑誌各社もネット番組を持つ時代になったのでもっと媒体同士を連携させることでコンテンツを充実させることが出来るのではないかと考えます。



<事例1>
2020年4月に本屋で販売されているバイシクル倶楽部の『呼吸』に関する特集は、非常に興味深いものです。しかし、文字情報だけだと(写真はあるものの)内容が難し過ぎる印象が強く出過ぎてしまう。コンテンツとしての関心度は高いはずなのでもっと動画との連動でより良いものになるのでは。


<事例2>
昨今のエアロロードバイクの注目度は目を見張るものがあります。しかし、雑誌だけだと物理の授業のようになっちゃいますし、動画だけだと中身が追いつかない印象です。メディアミックスの効果が高そうな分野ではないでしょうか?


<余談>



女性がいくらファッションが好きとはいえ、なんであんなに女性誌は生き続けられるのですかね?正直凄く不思議です。女性のインターネット利用率なんて今更男性と比較するようなレベルの話ではないので、感心度が高ければ高いほどインターネットの影響による淘汰があってもおかしくないのではと思うところです。

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そもそも、どんくらい雑誌あるの?



では、具体的に現在活躍中のスポーツ自転車専門誌などについて紹介しましょう。


サイクルスポーツ


創刊50周年を迎えた老舗自転車雑誌です。時代によってメインで取り扱われる自転車が変わってますが、基本はロードバイクとマウンテンバイクがその辺を取り合ってます。最近では、ロードバイクが誌面を飾ることが多いです。


俺チャレ(1日で250km~)走りきるような飛び抜けた企画を編集者自身がしたり、自転車で使われる素材(鉄、アルミ、カーボン)を深く研究する企画をメーカーに協力を仰ぐなどニッチ分野の中でもさらに一歩踏み込んだことを最近ではやっている印象です。


また、当誌は、ユーチューブ番組を立ち上げるなどメディアミックスにも意欲的です。やや地味な印象ではありますが、今後のコンテンツの充実や雑誌との連携は期待したいところです。

サイクルスポーツがお届けするスポーツ自転車総合情報サイト|cyclesports.jp
自転車雑誌サイクルスポーツがお届けする自転車情報サイトです。日本全国のレースやイベントに加え、コースガイドもご紹介。

バイシクルクラブ


サイクルスポーツと双璧をなす雑誌です。この2社が最大手と考えてよいでしょう。正直違いを初心者の方々が見出すのは若干難しいと思います。どっちか選ぶとなると見かけのデザインレベルかと思います。


細かいことを言うと、昨今サイクルスポーツは編集長が変わってきている中、バイシクルクラブの方は落ち着いている状況でしょうか。そのため、ロゴデザインや誌面の作りの変化は少なく、継続読者には落ち着いて読めるといったところがあるのではないでしょうか。


当誌は、副編集長がバリバリのレーサーということもあり、アマチュアレーサーには、身近な事例として感じられるコンテンツが出やすいと思います。一方で、鉄(クロモリ)バイクを作るなどの企画もあり、レーサー思考ではないサイクリストにも関心度が高い企画をやったりしてます。個人的には、DIY特集なんかは凄く楽しいコンテンツですね。しかし、動画がなかったような。。。

https://funq.jp/bicycle-club/

バイシクル21



これは、かなり濃い雑誌です。特に日本のロードレースやトラックなどの競技にフォーカスして構成されている雑誌です。そもそも文字のデザインからして熱い!!ということを主張しているような雑誌で、非常に個性の光る雑誌です。



トラック競技や学生レースなどに関心があったり、身近に関わっているような人がいるならば見てみる価値はあると思います。また、レースに特化しているところもありアマチュアレーサーの方には、楽しい内容が多いと思います。



選手だけでなく、監督などのレースに間接的に関わるひとのインタビューなどが頻繁に読める
のは当雑誌です。ここなんかが、国内レースの動画をガンガン配信してくれるといいですが、、、それは、期待し過ぎか。。。

RISING PUBLISHING
『Mobility Life(モビリティ・ライフ)』を出版するライジング出版が発行する、“乗り物・まちづくり”の未来を考える専門誌サイト

ciclissimo



サイクルフォトグラファー砂田弓弦さんが編集をしているヨーロッパの自転車レースを特集している雑誌。正確性に欠いて申し訳ないですが、毎月発行の雑誌ではありません。季刊雑誌です。



当誌は、多くの人にオススメしたい雑誌です。なによりロードレースの本場はどうなっているということが綺麗な写真とともに理解することが出来ます。また、コラムの内容は、玄人でも楽しめるほどの深みがあります。見かけはポップで入りやすいのに、中身はバイシクル21にも引けを取らないといった感じです。


また、女性目線でいうと、ヨーロッパイケメン選手図鑑を見るといった感覚もアリだと思います。砂田さんという長くロードレースに携わっていないとここまで入り込んで写真を掲載できないこともあり、多くのヨーロッパの選手を見ることが出来る唯一の雑誌です。

その他ムック本



何だそりゃ?!と聞こえてきそうですが、ブック+マガジンのことをムック本というそうです。初めて耳にした時はなんのこっちゃと思いました。



簡単にいうと、特定のコンテンツに特化して、不定期に発行される雑誌であります。よくある事例としては、



<事例>

  •  メンテナンス特集 (コンポの機構が変わるタイミングで更新したりする)
  •  新車特集 (1年に1回、年度の自転車の総特集)
  •  トレーニング特集 (初心者だけでなく、各ターゲットに絞った最新トレーニング事情をまとめた雑誌)
  •  ツールドフランス限定特集 (ツールドフランスの全日程や歴史など毎年更新)



ムック本は、各ターゲットの痒いところに手が届くといった内容が1冊でまとまっているので、かなりオススメです。インターネットよりもきちんと内容がまとまっているので、どこに問題意識を持っていくべきなのか方向性を定める上でも有効性が高いと思います。

今後の雑誌の方向性は


当ブログがなんやと言えるレベルではありませんが、非常に厳しい時代にあるのは間違いないでしょう。それは、サイクル業界に限った話ではないと思います。



5G社会を体感していないので何とも言えませんが、情報の流通方法とスピードが一段と変わることにどのように追随するかは問われていると感じます。俺チャレ企画なんかは、ライブ配信するくらいしちゃってもいいんじゃないかな?


それでも、文字と写真でじっくり楽しめるメディアであるので個人的には残って欲しいです。では、どうやって存続させるかなと勝手に考えてみました。それは、他ジャンルとのコラボです。各出版社では、自転車以外のコンテンツを持っていおります。いやいや、もっと大胆に他誌、例えばファッション誌やサイエンス誌などとコラボして、今までロードバイクやマウンテンバイクなどに関心が無かった人との接点を作ることでサイクル業界の裾野を広げるなんて出来ないですかね?



自転車競技をしているとその競技の専門性だけでなく、採用される服装だったり、空力力学、ダイエットなど関わる他のジャンルが多くあります。また、コラボすることでサイクリストに対しても他ジャンルからのインスピレーションを引き出せるかと思います。きっかけがないと辿りつかないというところに架け橋を作る。


どうですかね?ってか、んなこたー分かっているけど、大人の事情で出来ない!なのですかね?


雑誌は、初心者から玄人まで感心持たれていたものだし、これからも楽しいコンテンツを期待したいです。

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